[PSV]PlayStation Vita
先週末の東京ゲームショウで一般公開もされた「PlayStation Vita(以下、PSV)」について、ちょっと考えてみる。
単純比較にはならないが、例えるなら今時のスマートフォンに似た機械ということ。
要するに、電話の出来ないスマートフォンと捉えても当たらずも遠からずといったところだろう。
そのスマートフォンの中でも高機能といわれる「iPhone 4」「GALAXY S II」や「iPad2」を遥かに凌ぐパフォーマンスであるものの、それを発揮出来るかどうかで意味が変わってくるのではないか?
現在のスマートフォンのCPUの主流はコアが2つのデュアルコアだが、PSVの方はコアが4つのクアッドコアであるということ。
そして、スマートフォンよりもゲームに適した高性能なビデオチップが使われているということ。
これはパワーがあればあるほど、その分電源を使うことはいうまでもない。
携帯電話としての最低限のバッテリー時間を確保している性能に留めたスマートフォンなのに、パワーを使うくせに大容量バッテリーではないPSVの駆動時間はどうなるのか?
高性能を求めるなら携帯機にする必要性はないのではないかという疑問が生じる。
些細なことでは、メモリーカードが独自規格で別売り(市販の安価なカードではない)なことや、画面の解像度がQFHDの960 x 544(フルHDの1/4)なのに、内蔵カメラはVGA(640x480)の30万画素程度であったりと気になる。
長時間駆動の携帯の利便性ではないし、高性能を謳うにはハーフHDの720Pの解像度でもないし、ゲーム機としてのコンセプトがどちらをウリにしているのか不明瞭に感じる。
結局のところ、長年ゲーム業界にいる割りにゲームのこと(ゲームが遊びたいからゲーム機を買う)を理解していなく、これで29,980円では25,000円で失敗した3DSの二の舞になるのではないだろうか?
そして、ドコモの3G回線の使用にはプリペイドカードを購入することで使いやすくした割には肝心の料金が高いし、現在ドコモのスマートフォンを使用しているならSIMカードを入れ替えるだけで同じ料金プランで使用に出来る様にすればよかったのにと思う。
最後に、ゲーム機としては要のゲームソフトに自社のキラータイトルである「グランツーリスモ」が予定されてなかってり、PS3との連携をする割に「PlayStation Home」との連携は未発表なこと。
今まではソニーならではの技術がどこかしらに見られていたのに、今回はサムスン電子を中心とする部品の技術しか用いていないことに“SONYらしさ”が全く表れていない。
(これは、今のソニーには技術者が少なく提携しているサムスンのテレビにSONYのロゴをつけて売っているBRAVIAだったりという噂もあって、赤字続きの家電メーカーというより消費者を半ばだまして資金を運用しているファイナンスや損保の会社という印象が見え隠れしてならない。)
結論としては、期待外れ…というよりは、最初から期待していなかったので期待通りということになるのかな…。