I LOVE SEGA!ということで、セガが大好きな大宮リオンがブログや動画、名言集などでセガのゲームを紹介しています。

Dreamcast

WELCOME TO NEW GENERATION!!

ドリームキャストに関する過去記事のまとめ

名称Dreamcast
発売日1998年11月27日/価格29,800円(消費税別)
CPUHITACHI SH-4
128bitグラフィックス・エンジン内蔵RISC CPU
(動作周波数 200MHz 360MIPS/1.4GFLOPS)
グラフィックスエンジンNEC PowerVR2DC
CG描画性能:秒間300万ポリゴン/sec.以上
サウンドエンジンYAMAHA スーパー・インテリジェント・サウンド・プロセッサ
32bit RISC CPU内蔵(64ch PCM/ADPCM)
メモリメイン 16MB
テクスチャ 8MB
サウンド 2MB
モデム通信速度 33.6Kbps
V34/V42およびMNP5までフルサポート
(脱着可能なリムーバブル方式)
オペレーティングシステムMicrosoft(R) Windows(R)CEカスタムバージョン
(DirectXをサポートした、Ver 2.1相当)
メディアGD-ROM
オリジナルフォーマットの倍密度CDでGDはGigabyte Diskの略
GD-ROMドライブ最高12倍速 CAV(角速度一定)方式
最大同時発色数1,677万色
本体最大寸法約190mm(W)×195.8mm(D)×75.5mm(H)
本体重量約1.5kg

Dreamcastは、まさに「ケタ」違い

Dreamcastと言えば渦巻きのマークで既にご存知の方も多いと思うが、今回取材をさせて頂いたコンシューマ開発生産本部 総括部長 工学博士の萩原 史郎氏の名刺の裏にもお馴染みのマークが印刷されていた。工学博士という文字に気をとられていると、

「この名刺もまた印刷してもらわないと。」

と、楽しそうに名刺を渡しているのだ。製品に対する自信と萩原氏自身の忙しさが伺える。
さて、セガは以前にもSEGASATURNをゲーム市場に投入しており、SEGASATURNならではの素晴らしいソフトも存在している。SEGASATURNは28.7MHz駆動25MIPSのSH-2を2つ搭載していたが、セガが新製品であるDreamcastに求めた性能は何だったのだろう。

「まず、SEGASATURNに比べて1桁くらいMIPS値を上げたかった。単純に言えば10倍以上の高速化ということです。また、SEGASATURNに搭載していたSH-2は本質的には固定小数点演算のプロセッサで、ゲームの世界で3Dをきちんとやろうとすると浮動小数点演算の性能が高くないといけないわけです。結果としてはDreamcastは360MIPSを実現しています。」

ゲーム機の話を伺いに来たはずだが随分と高い性能だ。それに予想とは違い大変難しい話になりそうである。これには何か訳があるに違いない。

“ゲームとは大量の演算の結果”

なぜこのように高性能が必要になってくるのだろうか。どうやらそれを先に知らなければならないようである。萩原氏はゲームに必要な演算内容を解説された。

「まず3Dのものですと3次元の座標位置と視点位置からマトリクスの逆マトリクス演算を行いますし、光源の位置も計算します。大変な計算量なので大抵ジオメトリエンジンと呼ばれるこの計算に特化した部分がこの計算を行います。生成された頂点の座標と輝度をレンダラに渡して画面が描画されます。勿論ゲームではその他にゲームシーケンスを制御しなければなりませんのでコリジョンディテクションもします。例えばソニックが走っていて横の壁にぶつかったとしますと跳ね返るといった内容です。この他にもデータを媒体から読み込むですとか、音を出すですとか、これを1フレーム毎に計算しなおして毎フレーム繰り返しているのです。」

ここで語られているマトリクスの逆マトリクス演算というのは3Dの計算処理をするのに必要な計算のことだ。3Dを表現する場合、画面に表示されている物には当然三次元の座標が与えられている。ゲームだとこれらは常に移動したりしているので、当然座標を変換しなければならなくなる。この座標変換にはアフィン変換と呼ばれる行列演算、つまりマトリクス演算が行われるのだ。

それにしても聞いているだけでも嫌になるほどの計算量である。ゲームというのは大変なものだということが解るし、これならとてつもない高性能を求めるのも理解出来る。

SH-4はゲーム制作の要求を満たす

「通常CPUの後ろにジオメトリエンジンが搭載されることが多いのですが、DreamcastではCPUに内蔵されています。勿論CPUは画面を描く為の計算だけをしているわけではありません。ゲーム全体の流れを全部仕切っています。」

このCPUは言うまでもなくSH-4のことだ。SH-4はどのような経緯で採用に至ったのだろうか。
「3年前から次世代CPUの採用を計画していまして、SEGASATURNでの実績もあった日立さんからもプロポーズがありました。『どういうCPUがいいですか?』といった具合です。我々の方からも要求を出しまして、SH-4は日立さんとのお付合いの結果だと思っています。」

SH-4の駆動周波数は200MHzだが、これには何か理由があるのだろうか。

「200MHzはリーズナブルな価格で限界だと思います。」

成る程、低価格と高性能の接点がこの辺りなのだろう。なお、Dreamcastに搭載されたSH-4には最新の0.25μmルールで製造されている。

300万Poly/sを実現する

「今回はレンダリングエンジンにPowerVR2DCという高級なものを採用しています。なにしろ今まではCPUが行わなくてはならなかった陰面処理やクリッピング、半透明ポリゴンのプリソートをやってくれます。」

萩原氏によると陰面処理は視点からは見えないオブジェクトの裏側などの処理のことで、これを判断させるのが非常に面倒らしい。また、クリッピングは画面外に出たポリゴンの処理でこれもまた面倒な計算ということだ。そして半透明ポリゴンのプリソートも半透明のポリゴンが重なったときに発生する面倒な計算で、Dreamcastではこの計算ですらレンダラが処理する。
これではCPU側は何も計算することが無いのではと思われるかもしれないが、よく思い出して欲しい。CPUはゲーム全体の流れやジオメトリの部分を担当しているのだ。ジオメトリ演算のSH-4からレンダリングのPowerVR2DCへと画面描画の為の効果的な演算の流れが出来ているのがわかる。

「Dreamcastはデザインターゲットとしては300万Poly/sを念頭において開発しています。仮に画面表示のみを処理させた場合はフルで500万Poly/sまで大丈夫です。」

何という内容なのだろう。通常ゲームは秒間60フレームか30フレームで制作されている。500万Poly/sという性能はつまり、Dreamcastが画面描画だけを処理したら1フレームを8万ポリゴンで構成出来るということだ。相当素晴らしい画面になるのだろうと予測出来るが、Dreamcast上で動作するソフトの画面を見てもその数字が嘘ではないことがわかる。

「一口に300万Poly/sと言っていますが、この性能を引き出すためにはどうしたらいいかアルゴリズムを徹底的に解析しました。SH-4に内蔵されたジオメトリ部にはマトリクス演算器が含まれています。このマトリクス演算器は3Dオブジェクトの変形もサポートした4×4のマトリクスの逆マトリクス演算を4clockで処理出来る性能で、FLOPS値にしますと1.4GFLOPS相当になります。浮動小数点では一つのデータが24bit長の仮数部と8bit長の指数部から成り立っています。合わせて32bitです。これが内部では4つ同時に作動していますので、マトリクス演算を行う部分は128bitバスになっているのです。」

何故そんなに高速な浮動小数点演算にこだわるのかというと、固定小数点と浮動小数点では表現出来る数字の範囲が違うからだ。勿論浮動小数点の方が圧倒的に表現出来る数字が大きい。これは表現出来る内容に直接関わってくる。ゲームで言えば物の動きが不自然に見えたり、3Dで表現されている人物の関節が外れていたりめり込んでいたりとリアリティとは全く反対の結果を生んでしまう。ゲームをしていてこういった場面に出くわすと興醒めしてしまうので、このような部分に力をいれているのは正解だ。

「それにしてもSH-4は面白いCPUです。ジオメトリは128bitですし、バスサイズは64bitです。でも命令は16bit固定長です。何bitと呼んでいいのか考えてしまいますね。」

確かにSuperHは面白いCPUだと思う。特定の用途の為に開発された訳でもないのに様々なジャンルの製品でまるでその為に開発されたかのように確実に処理をこなすのだから。要はCPUが何bitということではなく、そのCPUがどれだけの成果を出せるかなのだろう。

「今まではレンダラの性能が不足がちだったのですが、今回のレンダラは基本的にCPUから流れてきたデータを全部処理出来るだけの性能になっています。つまり500万Poly/sならば最もシンプルなレンダリング内容でレンダリング出来るということです。しかし、テクスチャ処理などが用いられますと300万Poly/s位になるでしょう。CPUの処理性能とうまくバランスがとれているんです。」

萩原氏は遠慮がちに語られたが、少しも遠慮になっていない驚くべき性能である。

高速処理を活かす

「ちなみにDreamcastではMPEG1の再生も出来ます。」

MPEG1の再生のために専用のハードウェアでも搭載しているのだろうか。

「MPEGは整数型の演算を行っていますが、わざと整数型から浮動小数点型に変換してCPU内蔵のマトリクス演算器に渡してあげると普通に処理するよりも相当高速になります。RGBからY:U:V=4:2:0への変換はレンダラに任せています。Dreamcastの性能をMPEGだけに割り振ると解像度がVIDEO CDの倍の解像度でも再生出来ます。」

これはSH-4に内蔵されたマトリクス演算器がとてつもない性能をたたき出しているからこそ発想された処理方法だろう。本来3D用途のみならば3×4や3×3のマトリクスの逆マトリクス演算が出来ればよしとされていたのだが、そこを4×4の演算まで可能としたところで汎用性が広がったとのことで、様々な用途に利用出来る本当の意味でのマトリクス演算器と呼べるだろう。

「計算内容によって得意なものに任せることで、特殊なデコーディングエンジンを搭載せずに済んでいます。」

高速演算を活かす土台

DreamcastはCPUもレンダラも高速で、まさに桁違いの画像を提供してくれることがわかったが、それだけでDreamcastがこのような性能を発揮しているはずはない。他の部分にもそれなりの配慮があったに違いない。

「この高速なCPUの性能を引き出すためにどれくらいのデータを渡してあげればよいかという問題が出てきます。Dreamcastでは64bit幅の100MHzバスを採用しており、ピーク時には800MB/s転送可能です。ちなみに先程話にも出てきた500万Poly/sをやるとこのバスには500MB/s以上のデータが流れます。恐らく64bit幅の100MHzバスで半分以上の帯域を使用するという事態が今までに無い話ですし、コンシューマーの機器で100MHzで基板を量産するのはセガが最初になると思います。」

100MHzのバスというと最近のパソコンのトレンドのはずだ。それがゲーム機に採用されてしまうとは。

「Dreamcastの内部はこの様になっています。こちらはブロック図です。16MBのワークメモリがありますが、ここにはシーンに必要なデータが入ります。それをCPUが1フレームごとに計算していき、ここで生成されたデータはレンダラに送られて瞬時に処理されます。レンダラやバスコントローラなどCPU以外のものは殆どこのシステムASIC内に収められています。アーキテクチャ自体はかなりすっきりと収まったと思います。しかしここで一つ難点がありまして、読み込むデータと書き込むデータは必ずこのバスを通るのです。つまりコンフリクトが発生し易くなります。」

これは大変困った問題だと思う。何か良い解決策はあるのだろうか。

「勿論DMAは使用されるでしょうが、Dreamcastではストアキューという方式を採用しました。ストアキューについてお話しますとそれこそ論文が出来てしまいますので簡単に言いますと、これはDMAの最中に任意のアドレスにアクセス出来るというものです。ですので先程のコンフリクトの問題も相当解決されます。」

萩原氏によるとストアキューと呼ばれる技術は最新技術という訳でもないそうだが、とにかく効果覿面とのことだ。ただ、ゲーム機ではストアキューの搭載はDreamcastが最初だと思う。
性能は10倍以上になったDreamcastだが、SEGASATURNと比較するとメモリは10倍になっていないようだが、これは何か考えがあるのだろうか。

「テクスチャメモリはベクトル量子化圧縮を用いて有効利用を図っています。つまり圧縮されたデータがメモリに記録され、読み出す際にはそのデータをデコードしてフレームバッファに直接書き込んでしまいます。デコードした結果をメモリに置いておくことはありません。サウンドも同様、圧縮して覚えています。それをデコードしながら再生します。」

成る程、これなら物理的にメモリが増えていなくても問題ない。しかし圧縮したり展開したりという処理が普通に行われているのだから凄い機器だ。

「他にはMMUの採用もあります。これはOSを搭載する為です。DreamcastにはWindowsCE for Dreamcast with DirectXが採用されています。ゲームの開発にはDirectXを利用する他にセガ独自のライブラリも用意しました。」

色々と伺うと何だか素人からは使いこなしが難しそうな気がしてしまうが、最もDreamcastを使いこなすであろうプログラマに対しては何かアドバイスはあるだろうか。

「自由度を残しつつ、ピーク性能はきちんと確保しているのがDreamcastの設計です。従来は処理速度の遅さ故に少量のデータを次々と転送するという方法を採用することが多かったのですが、Dreamcastではシーン毎に転送した方が良い結果が出せます。」

5つの開発目標を達成するために

Dreamcastは同社のSEGASATURNと比較しても、また他社の同様の機器と比較してもサイズが小さい。これは意図して設計されたのだろうか。

「Dreamcastには5つの開発目標がありました。『Superior Graphics』『Superior Sound』『Powerful to Program』『Flexible and Expandable』そして『Small』です。ですので当然小さくしたのは意図しています。ところが小さくしたら困った事になりまして。」

小さくしたら困ったというのも変な話だ。目標が達成出来たから良いのではないだろうか。

「まず0.25μmルールでチップの集積率が上がります。勿論チップ自体の数も少なくなります。するとバス幅を広く設計できる訳です。そうしますと処理能力が向上します。これを現在の技術の限界まで行うことが出来たと思います。しかし、集積率が上がりますと熱が凄いのです。Dreamcastが発生する熱はかなりのものになってしまったのでファンを取り付け空冷としています。このファンとLSIの間をヒートパイプでつないでいますので水冷しているとも言えます。」

これは驚いた。ついにゲーム機も水冷の時代である。

「さらに『Powerful to Program』とあるように、プログラムを開発しやすくしなければなりませんでした。セガにとってSuperHはSEGASATURNでも経験と実績がありましたが、何しろSH-4は全く新しいCPUなのでシステムが悪いのかコンパイラが悪いのか何が悪いのかと。今思えばこの間違い探しをこの1年半ずっとやってきた気がします。」

確かにSH-4は市場に出るのはDreamcastがはじめてになるだろう。だからこその苦労だろうが、いつもながら製品を創り出す人の苦労には頭が下がる思いだ。

「Dreamcastのモデムは敢えて着脱を可能にしました。勿論モデム自体はSH-4の処理能力を利用すれば再現可能ですが、通信に処理能力を分配するのはあまりに勿体無い。ですので圧縮やエラー訂正などはCPUに処理させ、他をモデムユニットに任せます。また、モデムはモデム専用のコネクタに接続されているのではなく、あくまでも汎用のコネクタに接続されています。ですのでさらに高速な通信方式に対応したり、または別の何かに差し替えたりというように利用が可能です。これは『Flexible and Expandable』という、高性能でありながら拡張性もあるという相反する目標を達成する一つの要因です。」

Dreamcast本体以外には何か苦労された点はあるだろうか。

「メディアですね。Dreamcastではソフトの供給媒体にCD-ROMではなく、GD-ROMというフォーマットを採用しています。これは外周が従来のCDの倍の密度で、内周の領域はCDと同一の密度で記録されています。勿論GD-ROMはセガ独自の媒体ですので、一からフォーマットを立ち挙げなくてはなりませんでした。これは媒体を用意しなければなりませんし、制作の現場で必要になる媒体に書き込む装置も用意しなければなりません。完成したソフトを量産する装置も用意しなければならないということです。」

萩原氏は特に苦労話としては語らなかったが、Dreamcastのあの性能を引き出した事が正に苦労なことだと思う。開発に携わった人はどの位いたのだろうか。

「CPUは日立さんですし、PowerVR2DCはNECさんと英国のVideoLogicさん、音源関係はヤマハさんとさまざまな企業との共同開発の結晶ですので実際にはどれだけの人か関わったのかわかりません。ただ、セガ社内ではハードの開発だけで100名位はいたと思います。なにしろ飲み会でその位は集まりましたからね。」

Play & Communicationの世界へ

Dreamcastは最新の技術を投入し従来機に比べて信じ難い程の高性能化を成し遂げたが、それだけで終わってしまってはユーザーは納得しないだろう。この辺りはセガとしてはどのように考えているのだろうか。

「Dreamcastは『Play & Communication』をコンセプトにしています。ゲーム機というのはパッドで何でも操作出来ますので、子供からお年寄りまで使えるということです。今までは『Play』、つまり遊びの部分まででしたが、これからは『Communication』の部分も重要です。Dreamcastはそのための道具なのです。」

一人で遊ぶよりも二人、さらに大勢で遊ぶということは、同じ内容の遊びを共有するということだ。楽しみもより大きくなるに違いない。しかし、その『Communication』をするための操作が面倒だとしたら盛り上がらないだろう。この辺りはどうするのだろうか。

「Dreamcastが目指すところは『みんなネットワークに自然に繋いでもらいたい』ということと、それによって『ネットワークなしのゲームは成立しない』ということです。これを実現するためのモデム内蔵ですし、Dream Passportという極めて簡単にインターネットに接続してホームページを見たり電子メールやチャットが出来る通信ソフトも同梱しています。」

SEGASATURNでも同様のサービスが存在していたが、モデムが後から取り付けなければならなかったこともあり誰もがネットワークに自然に繋がる状態とは言い難いものがあったと思う。しかしDreamcastならばきっと『Communication』も盛り上がっていくに違いない。

「もう一つはビジュアルメモリです。ビジュアルメモリは『Play & Communication』の一翼を担う機器です。これは単体のゲーム機としても動作しますが、ビジュアルメモリ同志で情報のやりとりが可能です。また、Dreamcastを通じて新しいデータをダウンロードすることも可能です。」

『Play & Communication』のコンセプトはインターネットも含めたエンターテイメントということなので、可能性としては他機種との情報のやりとりも考えられるのではないだろうか。個人的にはそうなると大変面白いと思う。

Dreamcastは未来のエンターテイメントを提示してくれた。その能力の全てをまだ見ていないのに今後についてを話して頂くのもどうかと思ったが、最後にその辺りを萩原氏に現在考えられている範囲で伺ってみた。

「何でもそうですが、創り終えた時から次が始まるわけです。ゲーム機というのは大体4〜5年の製品サイクルがありますが、そもそもそんなに長期間持つ製品は珍しいです。ですので最初の時点でとても無理をした設計をします。ある意味ゲーム機だけがリスキーでハイエンドな仕事をさせてもらえるのかもしれません。また、この業界には常に走り続けるスピード感があります。セガ自身も『考えている暇があればやれ!』という社風がありますし。」

工学博士というのはこんなにパワフルな人物だっただろうかと思わせる程力強い発言だった。

Dreamcastはついに発売され、多くの人が『Play & Communication』の世界へと足を踏み入れた。恐らくその世界に驚かない人はいないだろう。と同時に多くの人が無意識にSH-4の驚異的な能力を体験したことになる。SH-4がその性能で今後多くの機器で採用されるのは間違いないと思うので、将来の機器はさらに楽しく、便利になっていくのだろう。私には既にDreamcastがそれを証明し、保証しているように思えてならないのだ。

(記事:浦沢 豪徳)
“参考文献 日立評論 Vol.80 No.11(1998-11)
「高性能エンターテイメントシステムと高性能プロセッサ“SH-4”」中川典夫 / 荒川文男”

1998 SUPER-H.COM より転載


3次元グラフィックス技術「PowerVR」の第二世代アーキテクチャの開発に成功

NECはこのたび、英国VideoLogic社と共同で、3次元(3D)グラフィックス技術「PowerVR」の第二世代アーキテクチャ「PowerVR2」の開発に成功いたしました。「PowerVR」は3Dグラフィクス用LSIとして、コンパック社、ゲートウェイ社をはじめとする大手パソコンメーカーに幅広く採用されており、グラフィクス分野のLSIでは世界から好評を頂いております。このたびの「PowerVR2」は、第一世代の「PowerVR」アーキテクチャを大幅に改善したものであり、パソコンのみならず、家庭用ゲーム機や業務用(アーケード)ゲーム機に求められるより高度な画像処理LSIの開発が可能とするものであります。

「PowerVR2」は、3Dグラフィクス処理性能として、ポリゴン処理のピーク性能が1秒間に300万ポリゴン以上(*1)、ピクセル描画能力で最大2億ピクセル/秒相当(*2)の性能を実現いたします。これは、昨年発表いたしました従来製品(μPD62011)に比べ、約7倍のポリゴン性能と約2倍のピクセル描画能力を提供するものであります。

3Dグラフィクスの画像は、ポリゴンと呼ばれる三角形(三次元空間上の3点で囲まれた平面)を画面上に描画し、そこにテクスチャと呼ばれる絵や色データを貼り付けることにより作成されます。通常の3Dグラフィクス・システムでは、前半の計算部分(ポリゴンの頂点や色データの処理等のジオメトリ演算)の処理をCPUで行い、後半の画面描画の部分(テクスチャマッピング等のレンダリング処理)を3DグラフィクスLSIで行います。しかしながら、従来の技術では前半のCPUの処理が後半の画面描画(レンダリング)能力に追いつかないために、「PowerVR」特有の強力なレンダリング能力の真価が発揮できない悩みがありました。

「PowerVR2」では、この両者のバランスを最適化するため、従来CPUで行っていた処理のいくつかを「PowerVR2」チップに取り込み、CPUの負荷を半減させることによって、後半部分のレンダリング処理の優れた能力がフルに発揮できるように致しました。
また、レンダリングの並列処理化(パイプライン化)の強化等、内部アーキテクチャを最適化することにより、システム全体の処理性能を大きく向上させております。
さらに、よりリアルな画面を描画するために、テクスチャの貼り付けの際のフィルタリング処理や、表面の微妙な凹凸を表現するバンプマッピング処理といった最先端の3Dグラフィクス機能をサポート・強化いたしました。また、テクスチャデータを圧縮することでメモリの有効利用と性能向上を実現するためのVQ圧縮技術を導入しております。

なお「PowerVR2」のアーキテクチャは、株式会社セガ・エンタープライゼス社が今年末発売を予定している家庭用ゲーム機の3Dグラフィックスエンジンに採用されております。またNECでは、「PowerVR2」アーキテクチャ搭載のパソコン用3DグラフィクスLSIを今年夏に製品化する計画であります。これにより、パソコン、ホームエンターテーメント、およびマルチメディアの分野で「PowerVR2」の一層の普及を目指すとともに、「PowerVR2」の性能・機能を活かしたソフトの充実を図るべく国内外の主要ソフトメーカとの協業を積極的に推進してまいります。

(注) 記載されている企業名、製品名は各社の商標または登録商標です。
*1: システム性能は、「PowerVR2」搭載システムのCPUおよびインタフェースバスの性能に依存するため、現在のシステム環境での最大値です。
*2: PowerVRアーキテクチャはLSI内で隠面消去を実行しますので、それを通常の重ね書き処理に換算した性能値です。

「PowerVR2」アーキテクチャの主な特長

セットアップエンジンの採用

従来からの「PowerVR」の特長であるポリゴンの平面パラメータを用いた処理に必要な演算作業をすべてハードウエア(セットアップエンジン)で行い、CPUの特別な負荷を大幅に軽減しました。その結果、実際の3Dグラフィクスアプリケーション実行時におけるCPUの負荷は、ほぼ半減することになります。
また、このセットアップエンジンは、半透明ポリゴンのオートソート機能をサポートしており、半透明ポリゴンの重ねあわせの処理においてもCPUに負担かけることなく高速処理を実現いたします。

VQ(Vector Quantization)方式によるテクスチャ圧縮技術の採用

現実感のある3D画像を作るには大量のテクスチャデータが必須ですが、それに必要なメモリサイズとデータ転送時間を考慮すると、優れた3Dシステムを構築するためにはテクスチャデータの圧縮機能が必須となります。
「PowerVR2」では、この要求に応えるため、テクスチャデータを2x2ドットの近似パターンに置き換えるVQ圧縮技法を採用、テクスチャデータを平均8分の1に圧縮することを可能に致しました。このデータ圧縮をかけるかどうかはテクスチャごとに任意に選択できるため、アプリケーションソフトウェア上の指定によって、画質とメモリ使用量との最適なバランスを追求することが可能になりました。

3D処理機能の追加・強化

(1)トライリニア(Tri-linear)およびアンアイソロピック(Anisotropic)フィルタリング・テクスチャ

小さな物体にテクスチャデータを小さくして貼る際に、テクスチャイメージをできるだけ損なわいようにフィルタリングを行いますが、従来のバイリニアフィルタリング(4点フィルタ)に加えて、トライリニアフィルタリング(8点フィルタ)とアンアイソロピックフィルタリング(16点フィルタ)を新たにサポートしました。さまざまなイメージに対して適切なフィルタリングを選択できます。

(2)バンプ・マッピング(Bump Mapping)

物体の表面の微小な凹凸(たとえばゴルフボール表面の凹凸)を、光源の位置に応じて正しく表現する手法であるバンプ・マッピング機能をサポートしました。この機能のサポートは、これまではワークステーション等の高級機に限られておりました。「PowerVR2」では、この機能をパソコンや家庭用ゲーム機でも簡単に利用できるように致します。

(3)モディファイア・ボリューム(Modifier Volume)の強化

影の領域や光があたる領域を、一般の物体と同じように任意のポリゴンで定義(モディファイア・ボリューム)することで、各物体への影や光の与える影響を正確にかつ容易に表現することができます。「PowerVR2」では、従来から定評のあった光と影の表現力を更に強化したものです。

(4)隠面消去機能の改善

従来の「PowerVR」の特長であるハードウエア内での隠面消去機能(Zバッファが不要)を強化し、半透明処理におけるデスティネーション・ブレンディング等のDirect3DやOpenGLで規定されているすべてのブレンディングモードをサポートします。

平成10年5月21日
日本電気株式会社

1998 NEC Power VR2 プレスリリースより転載

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